イマもまれに、統合世界の各地で火元不明の小火が起きるらしい。きっと、フレイリウムのせいだろう。
一年に一度、常界の海に大量に現れるウォタリウムの群れ。そんな群れを観察して楽しめるのも、統合世界に平和が訪れた証しだろう。
晴れ渡った空を見上げた。そんな空を優雅に漂うウィンドリウム。心地の良い風が吹いていた。
天界で遊んでいたシャイリウムでさえ、年に一度、悼みながら、天界のイマを守った王への温かい光を注いでいた。
ダクリウムはイマも世界征服を夢見ているかもしれない。魔界のイマを守った王の背中を見つめながら。
ムムリウムの研究の果て、辿り着いた無の答え。そう、その研究こそが意味のあるものだったと。
イマもどこかで、メガヒノポックルンはマッチを擦りながら遊んでいることだろう。
たまに水辺でメガミズポックルンが水鉄砲大会を開催しているらしい。
メガカゼポックルンが見つけた就職先は、風の宅急便屋さんでした。
可愛らしいメガピカポックルンは、愛を運ぶキューピッドだという噂が流れているようだが、真実は定かではない。
メガヤミポックルンは、ボクシングポックル級世界チャンピオンになった夢をみたらしい。
清掃の仕事を始めたメガコロポックルン。だが、清掃の仕事を依頼すると、素敵なグラフィティが仕上がる。
ニャオ・ヒーは火想郷アルカディアで、いまだ帰ることのない炎の起源を待ち続けている。
竜宮郷ニライカナイで水の起源を待ちながらも、ニャオ・スィーはイマもグルメを追い求めている。
蓬莱郷ホウライの近くを浮かんでいたニャオ・フーは、いつか風の起源が風に乗って帰って来る日を心待ちにしている。
光の起源は帰ってこない。そんな悲しみを包み込むよう、永遠郷シャングリラでニャオ・ピーはイマも肥え続けている。
死後郷エリュシオンに集まった死者たちの魂を弔うよう、ニャオ・ミーは優しい鳴き声をあげていた。
地底郷アガルタに無の起源は存在していない。だが、それはイマの結果であり、意味は存在した。そう、ニャオ・ムーが存在しているように。
親子三人仲良く暮らす千本鳥居、そこでクビギツネたちも親子仲良く暮らし続けている。
戦いが終わり、再び女王が帰ってきた不思議の国で、イマもハティの遠吠えは鳴り響く。
眠れる森で眠るのは、戦いを終えて帰ってきた女王。そんな女王と共に、ベヒモスは穏やかな眠りの中へ。
ガラスの城の舞踏会。女王の帰還の祝福、散っていった者への弔い、イマの世界への希望、ケルベロスの3種類の遠吠えは鳴り響いた。
夜が明けた月御殿、耳澄ませばヤタガラスの歌が聞こえるだろう。
ある日を境に、毒を撒き散らすことを忘れたバジリスク。そう、争いは存在しないのだから。
唯一残されたフィアトロン:ドライは、炎才を弔う常界の科学館に展示されている。
イマも唯一稼動しているウォタトロン:ドライは、なぜか、そこで告白をすると初恋が実ると言われる公園に設置されていた。
ウィンドロン:ドライのフィンを利用して作られた小さな風車は、天界の優しい風を浴び、イマも静かに回り続けている。
稼動し続ける幸せの白兎研究所で、ライトロン:ドライはイマの人々が作る幸せを照らし続けていた。
すべてのダクトロン:ドライの稼動停止が確認されたのもまた、恋の傷が癒えたからだろうか。
最後の一機となってしまったノントロン:ドライへ、聖無才がかけた言葉。ありがとう。いままで、お疲れさま。
常界の科学館に展示されたソードアーム:セカンドは、長きに続いた戦いの終わりを物語っていた。
ランスアーム:セカンドは、統合世界を裏切りながらも、統合世界を守り抜いた騎士の象徴として、その姿をモチーフとした銅像へと生まれ変わった。
アローアーム:セカンドが蓄積したデータの利用先は未定であるが、その蓄積されたデータは堕風才へと委ねられていた。
被災地の復興のための稼動を最後に、すべてのアクスアーム:セカンドは稼動を停止した。
悪意の象徴として、サイズアーム:セカンドは堕闇卿の手により、すべてが廃棄された。
イマも工事現場で鳴り響くドリルの音。もしかしたら、ドリルアーム:セカンドの技術が流用されているのかもしれない。
炎才の科学館の中央広場には、サラマンダー:バーストが展示されている。
魔界のとある臨海公園、そこには沢山の子供が遊ぶ遊具として、リヴァイアサン:バーストが再利用されていた。
すべての戦いが終わり、その象徴にと作られた常界の平和記念公園には、ヨルムンガルド:バーストが、生い茂る緑に包まれながら展示されていた。
記念館として生まれ変わった理想郷アヴァロン、そこにはファーブニル:バーストが展示されているという。
天界の中央ターミナル、そこでは稼動を停止したニーズヘッグ:バーストが出迎えてくれる。
小型化されたウロボロス:バーストは、いっさい危険のない家庭用の電子ペットとなって、統合世界で密かなブームとなっている。
もっと強くなりたい。そんな少年少女の心に眠っていたゴウエンニヤカレシモノ。そう、誰の心にも眠っている。
もっと優しくなりたい。そんな少年少女の心に眠っていたリュウスイニタダヨイシモノ。そう、誰の心にも眠っている。
もっと賢くなりたい。そんな少年少女の心に眠っていたセンプウニフカレシモノ。そう、誰の心にも眠っている。
もっと輝いていたい。そんな少年少女の心に眠っていたセンコウニテラサレシモノ。そう、誰の心にも眠っている。
もっと落ち着きたい。そんな少年少女の心に眠っていたトコヤミニダカレシモノ。そう、誰の心にも眠っている。
もっと心を無にしたい。そんな少年少女の心に眠っていたゼツムニハタセシモノ。そう、誰の心にも眠っている。
アネモネが帰るべき常界の家。そこに待っていたのは、魔界のとある学園を卒業した魔物だった。
ベロニカの墓には、イマも沢山のベロニカの花が添えられている。
頬を撫でる風を感じたとき、それはもしかしたらリュウゼツランの小さな悪戯かもしれない。
ヒマワリの墓にもまた、輝かしい向日葵の花が咲き続けていた。
ビオラは謝罪の気持ちを込めて一通の手紙を書いたが、純白の衣装に身を包んだふたりは、その手紙を受けとらず、代わりに笑顔を返していた。
散った白百合。だが、その種はやがて、娘とも呼べる新たなシラユリを生んだのだった。
フレイミングブルが帰るべき常界の家。そこに待っていたのは、天界のとある学園を卒業した妖精だった。
死刑執行人学園を卒業したアクアプスは、友と肩を並べるため、常界へと旅立っていった。
そう、俺は永遠の風を探しに行くんだ。ウィンドベクターが死刑執行人学園を卒業したとき、すっかり風色に染められていた。
一歩遅れて死刑執行人学園を卒業したライトイーグルは、魔界の将として女子から絶大な人気を誇る男のブロマイドを売りさばくとある魔物を追っているらしい。