ノアの炎はあたりをたちまち炎の海へ。そこに言葉はなくとも、伝わる想い。終演のときまで、誰ひとり逃げ出すことは許しません。アカネたちを見失った北欧神たちは次々とオズへ刃を向ける。そして、一番最初に飛び出したのはオーディンだった。
その力の正体、確かめさせてもらうよ。オーディンの槍を弾いてみせたオズ。そう、力を持たず生まれたオズが、どうして対等に渡り合えるのか。そして、続く二撃目はヘルヴォルだった。手品っていうのはね、必ず種と仕掛けがあるもんなんだよ。
そんなヘルヴォルの刃さえ弾いてみせたオズ。だから言ったでしょう、種も仕掛けもありません、と。そして、右手から放った炎が貫いたヘズの体。左手からの炎はシグルズの足を貫く。これは僕の力じゃない、だけど、これが僕の役目だったんです。
無力なオズに綴られた物語の結末。解放されたオズの力。世界の終わりに最後まであがく命、それが僕です。次々とオズにより制される北欧神たち。そして、僕はその綴られし運命に従った。だが、それがなにを意味しているのかわかっているのか。
それはスルトからの問い。僕の運命の最後の頁を彼が閉じるまで、僕はあがき続けます。そして、その運命が絶たれることを信じて。そう、だからオズは前だけを向いていた。そして、その力は北欧神の力を凌駕したのだった。これが、僕らの魔法です。
すこし、悪戯が過ぎるんじゃないか。ロキの背後、現れたのはシャルラを引き連れたラウフェイ。ごめんね、ママ。口先だけで謝るロキ。そんなロキたちに対するは、ジャンヌ、ニコラス。私は貴様らに問う。自分の命より、なぜこの世界を選んだのだ。
いまさら、その問になんの意味もないわ。ラウフェイへと槍を手に飛び掛ったジャンヌ。ふたりの間に割って入ったシャルラ。そして、そんなシャルラへ銃口を向けたニコラス。次の瞬間、一歩でも動けば誰かの命が失われる。そんな緊張が訪れていた。
そして、そんな緊張を楽しげに眺めていたロキ。ねぇ、誰かボクのこともかまってくれないかな。だったら、オマエに俺からとっておきのプレゼントをやろう。ニコラスがロキへと放り投げた球体型ドライバ。そして、そのドライバから人影は現れる。
ロキへと飛びかかる人影。真上に振り上げられた釘バット。振り下ろされると同時に起きる爆発。そうだよね、キミのパパは裏切ってたんだ。だとしたら、キミが処分されたという報告も当然偽造されてた、ってことだね。そうだろう、サンタクローズ。
ロキ、俺はアイツを返してもらいに来た。そう、現れたサンタクローズ。返すもなにも、この選択は彼自身が決めたことだよ。そう返したロキ。だとしたら、力ずくでアイツを連れ帰るだけだ。それは本当に、イマのアーサーが望んでいることなのかな。