まったく、趣味が悪い人だ。イヴァンと共に現れたテンゲンとタシン。なに言ってんのよ、アタシらに与えられた仕事は常界を恐怖へと陥れること。そして、少しでも抵抗させることなんだから。せっかくなんだからさ、派手に暴れちゃいましょうって。
アインたちと抗戦するフェルノたち。まぁまぁ、私たちの出番は、彼らが失敗したときでいいじゃないですか。どうせ、彼らは使い捨てなんですから。高みの見物を続けるイヴァンたち。だが、そんな彼女らに一陣の風が。アンタらにお届け者です。
突然のジンソクの登場に驚きを隠せないイヴァンたち。っていうかさ、早くハンコくんないかな。重いんだよね、この荷物。ジンソクが担いでいた大きなふたつの袋。あー、もう無理!お前ら、早く降りやがれって!送料払え!こっちも商売なんだ。
そして、ジンソクが放り投げた袋は突き破られた。配達、どうもありがとな。姿を現した人影。よぉ、俺のこと忘れたとは言わせないぜ。一連の出来事にあっけにとられるイヴァンたち。そう、袋に潜んでいたのはショクミョウ。久しぶりだな、元同僚。
キマった、とでも言いたげな自信満々のショクミョウの表情。この俺が、道を間違えたオマエらの相手をしてやるよ。魂を燃やす男、ショクミョウ。そして、そんなショクミョウを、袋から頭だけ出した半目のままのサフェスが優しく見守っていた。
アンタら、あの塔で瓦礫の下敷きになったんじゃないの。フッ、俺たちは大いなる力を得たんだ。多くを語ろうとしないショクミョウ。俺たちを避難させたのはイージスだ。あっさりと答えを話したのは、大きな袋を脱ぎ捨てたばかりのサフェスだった。
んじゃ、俺は次の仕事があるから。そう言い残し、あっさりと姿を消したジンソク。それじゃあ、始めようぜ。ショクミョウのスイッチは入りっぱなしだった。貴様らは選択を誤った。俺たちについてくればよかったものを。それが賢い生き方なのにな。
私はいったん避難します。その場を離れようとしたタシン。だが、そんなタシンの背後に音もなく現れたサフェス。言葉を発することもなく、タシンの意識は失われた。アンタは、初めから裏切ってたのよね。怒りを露にしたのはイヴァンだった。
サフェスへと落ちる無数の雷。アンタの水と、アタシの雷、どっちが有利かは説明の必要もないわね。それは、当たったらの話だ。口を開いたサフェスは無数の雷をすべてかわしてみせた。もうっ、ウロチョロするんじゃないわよ、このチビ野郎。
その言葉にサフェスが反応を示したのかどうかはわからない。だが、次の瞬間、サフェスが放つ無数の水色の光の玉がイヴァンを取り囲んでいた。そして、そのすべてがイヴァンを襲う。時を同じくして、テンゲンもまた地に膝をついていたのだった。