『俺は俺のためにギターを弾く、それが俺の信じるロックだね』なぜかギターに夢中になってしまったランスロット。愛器は金色のギターであり、実は育ての母から譲り受けたものだが、恥ずかしくて内緒にしている。実はタンバリンも得意であり、タンバリンを指で回す技術も育ての母ゆずりであることは内緒である。
『テンポイント? ミリオンポイントの間違いじゃないかしら』その日、統合都市国際球技場は大歓声に包まれていた。それは、たったひとりの少女が起した奇跡。試合終了三分前、カナンはリストバンドを外した。ここからが本番よ。学生であり竜界選抜のエースは概念を超越した。ゆれるゴールネット、コールド勝ち。
『もう少しだけ、ボクの遊びに付き合ってもらっていいかな』 そして、理事長であるロキは両手で指を鳴らした。卒業っていうのは、旅立ちのときなんだ。だから、ボクからみんなにエールを送るよ。ボクの遊びに付き合ってくれてありがとう。そして、これでもうボクらとはサヨナラさ。いつかまた、会えたらいいね。
『そうだ、いいことを思いついた。学園に住めばいいんだな』 そして聖学に開かずの間が増えた。風紀委員室のすぐ隣り、倉庫として使用されていた部屋に掲げられた「サンタクローズの家」という謎の表札。届けられる朝ごはん、昼ごはん、夜ごはん。こうして、釘バットによる聖学取り壊しの危機は免れたのだった。