屠竜者の掛け声と共に現れた画神たち。世界は俺たちに描かせてもらおう。それこそが神の意思であり、世界の決定なのだから。空に描かれた絵が色付き始める。もう、変わらない。なにも変わらない。ただ、描かれた絵に従えばいいんだ。そこにこそ、生きとし生ける者が進むべき本当の未来が存在するのだから。
知ってるかな、君たちは僕らの手のひらの上なんだよ。マルクが描く未来。決定者の意思に逆らうことは出来ないんだから。未来へ進んでいるようで、進まされている。歩いているつもりで、歩かされている。偶然のようで、必然である。都合の悪い絵は塗り変えちゃえばいいんだ。そんな力を僕らは持ってるんだから。
いまの世界に私の居場所はなかった。だけど、いまならわかる。フィンセントが受け入れていた都合の良い犠牲。私を追放した意味を。世界の決定が私を許した。だから私は世界の決定に従う。あなたたちは世界の決定からはじかれた。私たちが描く未来に存在しない存在なのだから。ここで消えてもらうことにします。
なぜ、世界の決定に背くのかしら。クロードが問いかけたのは聖人のふたりへと。あなたたちなら、わかっているはずよ。世界の決定に背くのが、なにを意味しているのか。真剣な表情の風聖人と睨みつける光聖人。アタシたちは聖人よ。わかっているからこそ、ここに来たの。だから、旗くらい振らせてもらうつもりよ。
私が欲しいのは富と名誉。サルバドールはひげを撫でていた。そのためにも、邪魔な存在にはここで消えてもらわなきゃいけないのでね。だが、少しやっかいな人がいるみたいだ。見つめていたのは風聖人。絶対の力を持った私たちと、力比べをさせてもらおうか。決定者たちも、遠くで私たちを見ているだろうからね。
私は、ただ描くです。私に、意思はないです。ただ、決定に従うです。パブロが構えた筆。世界の決定に従い、邪魔な存在を排除しに現れた画神たち。どうか、綺麗な未来で会えるようにです。そして、一斉に描き出される未来。抵抗、無用です。大人しくしていて欲しいです。痛くしないです。でも、消えてもらうです。
まさか、六聖人のおふたりが出てくるとは思いませんでした。アカネたちの正面、音もなく現れたベオウルフ。つまり、あなたたちは、世界の決定に背くということでいいんですね。ベオウルフが掲げた右手。さぁ、未来を描き変えるとしましょう。