あんたらじゃ暇さえ潰れないわ。だが、そんなヘグニの尖らせた口から次に出た言葉は違っていた。そうよ、私はあんたみたいな子の相手をしたかったのよ。ヘグニの瞳に映りこんだユカリ。そう、あんたみたいな、復讐心に染まった顔が見たかったの。
振り上げられたのは常闇の死神の大鎌。ねぇ、見えるかしら。ユカリが見上げた闇に染まる空。やっと、この日が来たの。だけど、やっぱり見ないで欲しいかな。そこには女王の責務を忘れ、そして、ただあの日の闇に捕らわれたユカリがいたのだった。
いつの時代も、王様ってのはよくわからない生き物だな。ギルガメッシュでさえ、理解に苦しむアーサーの思考。この常界は、彼が愛していた世界なんじゃないのか。そして振るわれた鞭を合図に、無数の刃がヘルヴォルへと飛びかかるのだった。
さすがに、相手が悪かったかな。ヘルヴォルの顔はゆがみ始めていた。だが、かろうじてすべての刃を叩き落としたとき、再び無数の弾丸がヘルヴォルを襲う。そう、無数の弾丸が。そろそろ、俺たちの出番だ。このときを、ずっと待っていたんだぜ。