宛先には、なんて書いてあったのかな。雑な字で、友人ふたりへ、だとよ。だったらやっぱり、それはプレゼントってことさ。素直に受け取ろう。オレは絶対に着ないからな。それじゃ、先に選ばせてもらうよ。そんな光景も、やはり平和な証拠だった。
すべての戦いが終わったとき、イバラは再び眠りについていた。それは戦いが始まる前と同じ光景。イバラにとって聖戦の前も後も、なにかが変わることはなかった。たったひとつ、イバラのみせる寝顔が、少しだけ幸せそうになっていたことを除いて。
聖戦は終わった。だが、ヤスツナはひとつ気がかりなことが残っていた。結局、ウィンディとの戦いは、どちらの勝利だったのか。そして、ヤスツナが考えに考えぬいて辿りついた一番格好いい答え。ふっ、ここは引き分けってことにしておいてやるぜ。