みんな覚悟は出来てるよね。天界の王の間に集いし軍勢。それじゃ行ってくるね。王の間を後にするヴィヴィアン。待って。思わず呼び止めたヒカリ。そんなに、悲しい瞳をしないで。ヴィヴィアンの心もまた、在りし日の王に縛られていたのだった。
天界の軍勢を見送ったヒカリとヴラドは、王の間にふたり取り残されていた。まったく、嫌われたもんだな。天界の王であるヴラドの自嘲。誰も王の警護をしないのか。それは、私も同じだよ。ヒカリの体を流れる血が、ヒカリを孤独にさせたのだった。
まさか、姉妹がいたなんてな。あの日、確かにひとりの子供が生まれた。そして存在しないはずの姉と妹が存在していた。ま、事情は理解した。天界は、今も昔も歪な平和で保たれていたんだ。だが、嬢ちゃん、どうかその血を否定しないでやってくれ。