さぁ、ここからが本番よ。盛大に争いましょう。ファティマが振りかざした杖、天界へと攻め込む魔界の軍勢。そうよ、私達の王が進むべき、王の道を切り開くのよ。そんなファティマの心は、いまも在りし日の王の姿に縛られていたのだった。
切り開かれる道を、ただ真っ直ぐ歩き続けるユカリ。彼女が見つめる美宮殿。すべてはあの日から始まっていたのね。いまも続く因果の犠牲。だから、私は繰り返す。そして、すべての因果を断ち切るの。すべては、亡き友の為に、歩き続けるのだった。
魔界の軍勢を率いる王、オベロンの周囲には無数の魔物が配置されていた。それは警護なのか。それとも、監視なのか。それはオベロンにとって、どちらでも良かった。ただ、オベロンは自分が愛していた世界への復讐を果たしたいだけなのだから。