シェリドは一人、モニターに向かい合う。いったい、彼女はどこへ消えたというの。暗闇の中、手探りで探す行方。私の推測が正しければ。それは光へ。だけど、最悪の場合は。それは闇へ。入り混じる期待と不安。そんなとき、モニターに示された赤い点。この場所って、まさか。そこは、彼女が位置する真下だった。
幾重にも警備の施された世界評議会管轄の監獄。だが、アラート一つ鳴ることなく、警備網が突破されているという事実。その事実こそが、彼女が侵入したという紛れもない事実だった。だって彼女なら、ここを熟知しているもの。闇救員シェリドが手にした確信。そして、その日の午後、聖無才の脱獄が確認された。
闇は一筋の光さえも奪ってしまう。だが、闇の中でこそ輝くことの出来る、見つけることの出来る光もあるのではないのだろうか。どんなに小さい光であれ、闇の中では輝くことが出来る。そうして人は、そんな小さな光に辿り着くことが出来るだろう。