その格好、どうしたの。ただ、失脚しただけさ。だが、互いに浮かべる晴れ晴れとした笑顔。やはり、私は代表の器ではない。だから、私は私のやり方で戦う。その方が、お似合いね。不在となった常界代表。不安を募らせる民。名声と引き換えに失う自由、与えられる束縛。空いた席に、いったい誰が座りたがるかしら。
スフィアが目を通した書類には、地方の暴動鎮圧に乗り出していた元世界評議会所属、元常界代表専属の特務機関の面々が記されていた。彼らは、彼らに出来ることをしているのだな。そう考えれば、なんの変哲もない報告書だった。だが、なぜだ、なにかがおかしい。生まれた違和感。その答えは、既に動き始めていた。