『それでは部活動を開始する。さっさと帰れ、俺は寝たいんだ』その活動自体が聖学七不思議のひとつとされている帰宅部の顧問を務めるオベロン。彼はいつも眠い。だが、そんな彼の眠りを妨げるのは、決まって不健康な養護教諭。寝てんじゃねぇよ、オレに付き合えって。だが、その誘いはいつも虚しく散るのだった。
ヒスイは誰もいない草原に、その体を委ねていた。閉じた瞼の裏に浮かぶのはいつかの三人。そこに、優しい言葉など存在していなかった。だけど、俺たちはそれで良かったんだ。三人の間には、言葉にする必要などない想いが存在していたからだった。