ただいま、母さん。そんなアカネに、深くを尋ねない母。やっぱり、あなたはあの人の子供なのね。たくましくなった体に、胸をなでおろす。だけど、今日くらいはゆっくりしていきなさい。用意されていたホールケーキ。いつか、お父さんを追い越すのよ。それは、ただ流れる時間とは別の話。もちろん、そのつもりだ。
少年は刹那の夢を見る。大き過ぎた父の背中。誕生日を祝ってもらったことなんてなかった。だが、いつも感じていた温かさ。そして、その炎はもう、ひとりだけではなかった。そして、少年は目を覚ます。もう一度、始めよう。これは俺の物語なんだ。