進軍、開始。不思議の国の全勢力が従うのは、王という地位を捨て、戦場へと降り立った蒼水魔将アリスだった。それでも彼らが彼女に付き従うのは、地位ではなく、彼女そのものへの信頼。さぁ、パレードを始めましょう。響き渡る歓喜は悲鳴、兵隊が閉ざす退路。閉じ込められた多くの妖精。楽しんでもらえるかな。
蒼水魔将の前へと立ち塞がった美水精将オノノコマチは問う。なぜ、誰も殺さない。天界の辺境の街は氷で閉ざされた。だが、そこに住まう妖精は誰一人、命を落としてはいなかった。それは紅炎魔将が焼き払った街も同様に。そして、その問いへの返答。善悪を生死に重ねる、キミたちがそんな浅はかな考えだからだよ。