トレーニングを終え、自室へと戻ってきたギンジの目の前にはケーキが置かれていた。そういや、忘れてたわ。そう、今日は四年に一度のギンジにとって大切な日。だが、少年はすぐに違和感に気がついた。このケーキ、生臭ぇな。そして、ソファの後ろに隠れた人影に気づかないフリをして、そっと呟いた。ありがとな。
こうやって、俺たちは歳をとっていくんだな。少年は離れ離れの仲間へ想いを馳せていた。一緒に過ごした時間は決して長くはない。だが、そこには確かな絆があった。そして、そんな少年の元に現れた神の威を狩る狐。それじゃ、そろそろ始めようか。