天界に響き渡る警戒音、発せられた避難勧告。だが、その勧告が届き渡ることなく、辺境の街は終わりを告げた。燃え上がる炎が消えたとき、そこに伸びた影は赤い頭巾。戦場に現れたのは、民を引き連れた女王ではなく、兵を引き連れた将だった。私は私の日常を取り戻す。そう、そこには紅炎魔将アカズキンがいた。
私があなたを止める。紅炎魔将の前に立ち塞がった美炎精将ヘレネ。そして、彼女が説くのは解消された歪な平和と、いまの天界の在り方。だが、そんな言葉は届きはしない。私たちの女王の考えは、理解出来ないでしょうね。じゃあ、なんのために。動き出した聖戦、その裏にはいくつもの思惑が存在していたのだった。