ハッピーバレンタイン。それは一年に一度、ヒカリにとって大切な日。そんな日をみんなで過ごそうと、チョコ作りにいそしんでいた。きっと、私は幸せなんだ。少女がこぼした一言。それは純粋な言葉であり、そして誰かに似た一言だった。私はみんなを連れて行きたい、幸せな世界へ。たとえ、絶望が待っていても。
誕生日を祝ってくれる人がいる。それはどれだけ幸せなことだろうか。少女はそれを知っていた。だからこそ、そんな少女の隣には一人の男がいたのだった。嬢ちゃん、教えてやってくれよ。生まれたときから世界の敵なヤツなんて存在しない、って。