あぁ、困っているところなんだ。ロキは顔をしかめていた。彼らの成長は、ボクの想像を超えていたよ。このままじゃ、本当に辿りつかれちゃうかもね。そして、顔は笑顔に変わる。本当に、どうなるかわからないからさ。だからボクは、見たいんだよ。
だったら、いっきに終わらせようぜ。火がついた二人は畳み掛ける。俺はお前によく似た奴を知ってる。蘇る温かき思い出。だけど、そいつはお前みたいな瞳をしてなかった。もっとさ、温かい瞳をした奴だったよ。だからお前に、温かさを教えてやる。
かけつけたのは美女だけではなかった。僕も相手をさせて貰います。杖を構えたマーリン。約束は果たしたわ。銃を構えたナマリ。足ひっぱんなよ。笑みをこぼしたサンタクローズ。もちろん。笑みを浮かべたエリザベート。悲劇は終演を迎えていた。
なにその格好、ダッサ。ヒルダのついた悪態。この雨のなか、その格好は冷えるじゃろう。ブラウンが真似た悪態。アンタ達、死にたいのね。モルガンがみせた八重歯。私達はね、どうせあの時一度死んだの。だからこの命、捨てるのは怖くはないのう。
彼を殺してあげて。交わる刃。それは出来ない。交わる言葉。隊服を脱ぎ捨てながらも聖王の真意に従った女と、隊服を纏いながらも聖王の真意に背いた女。二人が見つめた未来は違えど、互いに一人の王の真意を大切にしたからこそのすれ違いだった。