あぁ、私は今、世界で一番美しい景色を見ているのですね。ヘンペルは王への道を切り開く民達に心からの賛辞を送っていた。これが、愛。なんと美しいことでしょう。これが、希望。なんと儚いことでしょう。あぁ、私は間違っていたのでしょうか。
息をする暇もなく攻撃を繰り出し続けるカゲロウ。殲滅対象ハ、炎才ノ息子。その対象はアカネだけだった。こいつの狙いは俺だけだ。だからお前は先に行け。会って、想いを伝えたい人がいるんだろ。だが、その言葉に対してレオラは首を横に振った。
一人、聖王が待つ場所へ。だが、サンタクローズを遮ったのは再び綴られた三つの戯曲だった。悲劇なんか、見たかないね。そしてあの日の嘘を口にする。だって俺は、みんなに幸せを届けるサンタクローズなんだ。その言葉は活路へと変わるのだった。
勝負しようぜ。それはロアの提案。悪くないんじゃない。それはランの返答。撃墜数を競いあう二人。別々にカウントされる撃墜数。だが、そんな二人は背中を預けあいながら、同じ未来を見つめていた。さぁ、さっさと終わらせて追いかけようぜ。
フェリスは楽しげに斧を振り回していた。随分やる気じゃねぇか。ローガンも負けじと撃ち出す銃弾。パパに褒めてもらいたいの。パパがいなくても、私は強くなれたんだよって。それは聖王のいなかった空白を肯定する為の、力いっぱいの笑顔だった。