うーん、どうしたらいいかな。これじゃあどうしても、希望のお話になっちゃいそうだよ。筆を走らせるシェイクスピアは不思議だった。いいんだよ、これで。ロキは楽しそうにその物語を見つめる。だって、彼にとっての希望は、彼らにとっての――。
王都に進入したアカネ達の前に姿を現わしたのはカゲロウだった。こいつだけは、俺が相手しなきゃなんねぇな。一番に身を乗り出したアカネ。私も力になります。刀を構えたレオラ。じゃ、先に行かせてもらうぜ。二人はサンタクローズを見送った。
アカネ達に見送られたサンタクローズが対峙したのは金色の装飾が施された第二世代自立型ドライバだった。金色の奴をぶっ飛ばしたいと思ってたんだ。サンタクローズが起動させる無数の武器型ドライバ。勝負は一瞬だった。肩慣らしにもなんねぇよ。
王都中に蠢く無数の第四世代自律型ドライバ。それは堕闇郷が改造を施した機体。俺達はザコでも掃除するか。ロアが預けた背中。道は綺麗な方が歩きやすいからな。ランが預けた背中。だから、みんなは先に行け。二人は戦場で背中を預けあっていた。
これはなんなんでしょ。フェリスとローガンの前には、今にも消えそうな無数の民が存在していた。王に仕えるには、ちいっとばかし心もとねぇなぁ。シェイクスピアが綴りし偽りの民には、王都への侵入者を攻撃する台本が用意されていたのだった。