カラン、コロン、開かれたのは古びたパブの入口だった。よぉ、相変わらずへたくそだな。ロアが声をかけたのは奥で的を射ていた先客。お前は球でも突いてろ。その返事に懐かしさを感じながらも、二人は同じ場所で、別々の遊びを始めた。彼らはいつも別々の景色を見つめていた。それはどこにいても変わらなかった。
なぁ、あのとき俺たちの王様はなにを見てたんだと思う。ランは背中越しの男に問いかける。いつも一緒のオマエのことすらわかんねぇのに、俺が知るかよ。投げ捨てた言葉には続きがあった。だからさ、今度はあいつがなにを見ようとしてたのか、見に行こうぜ。カラン、コロン、開かれたのは古びたパブの出口だった。