創られたマスクは彼を苦しめ続けていた。でもそれが、私という人格なのだから。キョーソ☆ディバインが右を向けば左を向く。あぁ、なんて健気なんだろうか。そして込めた皮肉。完全世界など、夢のまた夢。終わらせるのも、また私の役目か。砂上の楼閣に気付かない、ユーザー達め。彼の苦しみに、興味はなかった。
生まれし子は絶望を孕んでいた。望まれない生、望まれない種、望まれない存在に希望などなかった。母が悪いのか、父が悪いのか。いいや、生まれてしまった自分が悪いに違いない。だって、他人がいじめるのはいつだって僕なんだから。帽子に隠した姿と望み。だが、隠匿は更にハッターを蝕んだ。 デザイン:七罪
恐怖へと姿を変えた絶望。歪んだ心、重ねる悪行。姿が変わろうと、望まれない存在なのは明白だった。産んだ母が悪いのか、産ませた父が悪いのか、蔑む者が悪いのか。どうせ悪いのは全部僕なんだ。だから悪に染めてあげる。堕精魔ハッターは妖精のような純真な心の荒んだ魔物であろうとしていた。 デザイン:七罪
少年はいつも、追いかけていた。大きすぎた父の背中を。だが、その背中は突如消えた。少年にはそれが信じられなかった。信じたくもなかった。そして思い出したのは、父がいつも話してくれた聖なる扉の伝承。聖なる扉を目指せば、きっといつか、もう一度父さんに会える。そんな小さな思いを、アカネは抱いていた。
前線で戦いたい、だが次の世代へ橋渡しをしたい。還暦を迎えたブラウンは世界評議会警備局を退き、食堂で料理人として勤めていた。そんなガレスに掛けられた声。だったら、その腕で未来を示せ。そこには金髪の青年がいた。お前で二人目だ。
世界評議会の執務室、向かい合った男女。そう思わせてしまうのは、俺の力が足りないからだ。それは青年の言葉。だから、そういう綺麗ごとが気に入らないの。それはヒルダの言葉。俺はお前のその素直さが気に入った。ついて来い、お前で八人目だ。
ねぇ、父さんはなにをしているの。少年はいつも寂しかった。俺はな、世界を守る仕事をしてるんだよ。それはありきたりな子供だまし。だが、それでも少年の憧れだった。それなら、俺も世界を守るよ。世界を守り終わったら、いっぱい遊んでよな。