ありがとう。その言葉で悲劇は終わりを迎えた。そして、彼が出会ったのは新しい始まり。血に濡れた妖精は語る。これが私に出来ること。あの子は彼を想う。彼は彼女を求める。だから彼女はここにいない。それなら、私が代わりを果たすまでだから。
極楽竜が引きずり出したのは、首筋に埋め込まれた生体管理チップだった。だって、見つかったらやっかいだもん。あの時、あの場所、一人の人間は竜に立ち向かっていた。僕はね、あの光景を忘れることが出来ないんだ。だから、今度は僕も混ぜてよ。
兄さんは、どうするつもりなの。問いかける流水竜。俺は、楽しくやらせてもらう。答えた竜神。彼らのことが、気になるんだね。問い詰める流水竜。嫉妬なら、女にしてろよ。はぐらかす竜神。そして二人は道を分かち、それぞれの道を歩き始めた。