でも、聖暦の天才も大したもんだよ。その言葉に嘘偽りはなかった。お姉ちゃんに、感謝しないと。私ニ姉ナド存在シマセン。片言の返答。可愛くないぞ。可愛サナド、必要アリマセン。そう、第六世代自律型ドライバが求めたのは、破壊衝動だった。
私はただの被験体だったんです。そう、彼女は統合世界では珍しい獣種だった為、拘束されていたのだった。でも、所長はそんな私を一人の助手として受け入れてくれました。偶然の出会いは少女を救った。だから私は、いつまでも所長の側にいますね。
彼は、ずっと待っている。まるで、あの雪の日のように。彼は、ずっと泣いている。そう、あの雪の日のように。だから、私は今、ここにいる。純粋な目で語る雪導犬。だが、魔術師が抱く疑問。聞かせてくれ、君のいう彼は、いったいどっちなんだ。