少し肌寒い夕暮れ、ヒカリはお気に入りの半袖パーカーに袖を通し、シュシュで綺麗に束ねた髪を揺らしながら向かったのは、いつかの待ち合わせ。お待たせだよー。そして、そんな少女を待っていた4人の少年少女。あれ、まだ誰かさんは、来てないみたいだね。そして、5人の少年少女は、最後の1人を待っていた。
遅ぇーぞ。遅い。遅刻だね。待ちくたびれたわ。私もさっき来たとこだよ。5人の少年少女は、1人の少年を心待ちにしていた。セットに、時間かかっちまったんだよ。トレードマークの銀髪に合わせたTシャツ、少しはにかんだギンジがそこにはいた。そんじゃ、行こうぜ。そして6人は歩き出す。まだ見ぬ、未来へと。
若いのに、珍しいわね。老婆は少年に声をかけた。お兄ちゃん、なんでしゃがんでるの。少女も声をかけた。わわん、わん。犬も声をかけた。みな、その場に似合わない少年に興味津々。ここはとある並木道、少年はただ、銀杏を拾っていただけだった。
フルーツはおやつに入るのかな。少女は大好きなオレンジを鞄に詰め込んでいた。だが、それでも消え去らない不安。そっか、だったらお弁当にしちゃおう。始まったキッチンタイム、そして完成したのは、スペシャルトッピングクレープ弁当だった。