僕のことを捕まえてごらんよ。僕はみんなのモノだから。一番最初に捕まえた人のお願いを、何でも聞いてあげるよ。だから、ほら、早く僕を捕まえてよ。そんな平和な昼下がりを壊したのは一人の男だった。捕まえた。そう、彼を捕まえたのは想定外の男だった。言うこと、何でも聞くよ。そしてトニングは生まれた。
今の暮らしも、悪くはないね。偽光精トニングは、新しいもう一つの自我に飲み込まれないでいた。でもね、不思議なんだ。気がついたら羽が生えていた。やっぱり僕は妖精さんだったのかな。喜びの微笑み。あぁ、君は妖精だよ。そしてね、もう少しで完全な妖精になれるんだ。あはは、やった、やっと忘れられるよ。
反発する血には制裁を、受け入れる血には祝福を。そして次種族<セカンド>の運命は二つに別れる。どちらが幸せなのだろうか。それは人により、様々だろう。だが、それは自力で選ぶことが出来た時の話。そう、自由など、そこに存在しなかった。