着なくなって、どれだけ経つんだっけ。立ち寄った懐かしの我が家、クローゼットから引っ張り出した思い出。二人の出会いは入学式、春。そして数多の夏で汗を流し、共に頭を悩ませ続けたのは秋、寒さに負けないようにとはしゃぎあった冬、染み付いていたのはそんな匂い。ミドリはそっと袖を通した。ありがと、ね。
もしも戦場で、彼が敵として目の前に現れたら、僕は彼を殺すことが出来るのだろうか。終らない自問自答。何をそんな浮かない顔してるんだい。隣にはもう一人の幼馴染。もしも僕がためらったその時は、迷わず打ち抜いて下さい。彼じゃなく、僕を。