もう一度、やり直したいと思わないかい。それは命以外の全てを失った青年へ囁かれた言葉。キミが望むもの全てをあげよう。その代わり、残されたその命を、預けてもらうよ。藁をも掴む想いで選んだのはシュトロムとしてもう一度生きる道。良いんだよ。それで良いんだよ。そう、全ての敵をね、思う存分憎むんだよ。
ようこそ、いらっしゃいました。教団本部からほど近い屋敷。おい、こんな結末、聞いてないぞ。偽水竜シュトロムは人であったことを忘れようとしていた。キミに結末を選ぶ権利はないんですよ。吐き捨てた言葉。あの子も良く働いてくれました。そう、偶像として、最高の仕事をしてくれました。そろそろ、時間です。
反発する血はやがて飲み込まれてしまう。そう、残るのは一方の血のみ、より強い血のみ。下位なる存在である人間が、上位なる存在の血に飲み込まれるのは当たり前のことだった。それならば、下位なる種族同士が交わった時に、残る血とはいったい。
決戦の日へ向けて鍛練を怠らない炎魔将の元を訪ねたのは赤の女王。共に幼き日を過ごし、そして大人として過ごすこれから。もう、あの日みたいに笑い合うわけにはいかないんだよね。そう言った炎魔将は刃を鞘に収めた。私達の日常を、取り返そう。