隊服を脱ぎ捨てたライルは光さえも脱ぎ捨てた。そして一人向かった先。どけよ。殺意を向けられた無通者と無戯獣。おい、立てよ。虚ろな目の聖者に向けられた言葉。俺が殺したいのは、今のアイツじゃないんだ。突きつけたのは聖剣型ドライバ【カリブルヌス】だった。待ってんだよ、アイツは今も、一人で、ずっと。
ったく、おかげで目が覚めたよ。そして聖者は無数のドライバを手に。今年も仕事は休業か、オマエはどうすんだ。問いし相手は隊服を脱ぎ捨てた男。俺は別の道を行く。そっと見つめる聖剣。今宵、サンタクローズは聖叛者へ。例えこの命が尽きても、必ず取り返す。全ては青すぎた春の為、さよならの冬を越えて、今。
隊服を脱ぎ捨てた青年は育ての親から聖剣を託されていた。どんな使い方をしても、良いってことだよな。わざと吐き捨てた言葉。大丈夫だよ、私はあなたを、あなた達のことを、信じているから。湖妖精に見送られ、一人先に湖畔を後にしたのだった。
青年は自分のせいで大切な親友を失った。ずっと一緒にいたのに。誰よりも一緒にいたのに。なぜ、気がつかなかったのか、彼ならきっと、わざと間違った使い方をすると。そんな失意の青年の目を覚めさせたのは封印されし聖剣による鈍い一撃だった。