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常界の仕来りに習い、天界ではハロウィンパーティーが行われていた。お忍びで参加する光妖精王ヒカリの目的はもちろん期間限定クレープ。妖精と人間の間に生まれた子が天界を治めることへの反発に耐える彼女に訪れたほんの一時の安らぎ。だが、彼女の父の存在に気づいてしまった妖精達は、ただ恐怖に怯えていた。
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お兄ちゃん、これ。手渡されたバーテンダーの服。可愛い妹の頼みだ、と袖を通したサンタクローズ。あら、似合うじゃない。優しく微笑む幼馴染。お兄ちゃん、これも。更に手渡された金色の髪。ったく、これじゃアイツとお揃いじゃねーか。ピンポン。その時、チャイムは鳴った。そう、今日は誰かの誕生日会だった。
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炎魔将は幼き頃を思い返していた。いつも隣にいた少女は、大人になった今も隣にいた。どうした、悩み事か。赤の女王は問いかける。私達以外に、もう一人いた気がするの。何故か思い出すことの出来ない一人の少女は、確かに美しき炎を灯していた。