全ては王の目指す世界の為、時に傷つき、涙し、汚れた仕事でさえも引き受けてきた彼女は純白だった筈の手袋を外した。復讐を遂げた少年もまた、そこには何もなかった、復讐は何も生まなかったと目を反らしていた。そんな二人の頭の上、病神・マイソフォビアは【アウェイクA01】を逆さまにひっくり返していた。
凍りつく程に冷たい水を全身に浴び、目を覚ました二人。潔癖神マイソフォビアは、寒さに震える二人に語りかける。その手が穢れたのなら、何度でも洗い流せば良い。その心に罪の意識があるのなら、無理せず留めておけば良い。濡れた隊服、冷え切った身体、駆け出した二人の吐く息は、真っ白に澄み切っていた。
星屑街<コスモダスト>を抜けた先、そこには一年中人工の月が昇る街があった。太陽に忘れられ、まるで世界の終着駅かの様な暗闇、そしてそんな地上を照らすのは微かな月明かり。だが、そんな街でも人々は生活をしていた。鉄屑に囲まれ、火花を散らした一人の少女はスパナを握り締め【イザヨイ】を起動させた。
うん、まだ動くみたいだ。少女は起動させたばかりの自立型ドライバに華麗な装飾を施した。今日から君は【イザヨイ:ニシキ】だ。そんな名前が名付けられた自立型ドライバに刻まれた第二世代の文字。本当に、懐かしいなぁ。思い出に耽る少女の上、第零世代自律兵器型ドライバが舞い降りる。お迎えに参りました。
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ワレワレ ハ キネポックルン ウチュウカラキタ ダイアクトウ ダ コノヤロウ メカ ハ ツヨイゾ コノヤロウ ワレワレ ハ キネポックルン ウチュウカラキタ ダイアクトウ ダ コノヤロウ メカ ハ ツヨイゾ コノヤロウ ワレワレ ハ キネポックルン ウチュウカラキタ ダイアクトウ ダ コノ
♯include \nint main()\n{\n std::cout << ”Hello,sakeworld!” << std::endl;\n}
ワレワレ ハ サケポックルン ウチュウカラキタ ヨッパライ ダ コノヤロウ メカ ハ ツヨイゾ コノヤロウ ワレワレ ハ サケポックルン ウチュウカラキタ ヨッパライ ダ コノヤロウ メカ ハ ツヨイゾ コノヤロウ ワレワレ ハ サケポックルン ウチュウカラキタ ヨッパライ ダ コノヤロウ
♯include \nint main()\n{\n std::cout << ”Hello,susukiworld!” << std::endl;\n}
ワレワレ ハ ススキポックルン ウチュウカラキタ ススキ ダ コノヤロウ メカ ハ ツヨイゾ コノヤロウ ワレワレ ハ ススキポックルン ウチュウカラキタ ススキ ダ コノヤロウ メカ ハ ツヨイゾ コノヤロウ ワレワレ ハ ススキポックルン ウチュウカラキタ ススキ ダ コノヤロウ メカ
犯した罪を償ってなお、汚れてしまった自分自身を許せないでいる患者達。だが、この世界に産まれて、一度も汚れずに生きていけるのだろうか。彼等は忘れてしまったのかもしれない。かつて、両の手を泥だらけにして遊びに興じた、あの頃のことを。
十五夜の街で目覚めたのは十六夜の自立兵器。一日だけ未来の名前が名付けられたのは、未来へと向かう意思表示か、それともきまぐれか。名前に込めた意味を知ることが出来た時、初めて未来の一歩を歩めるのかもしれないし、歩めないかもしれない。