銀河系アイドルを支える作曲家であり、銀河系プロデューサーでもあるアルタイル。ライブではマニュピレーターを担当し、人によっては二人一組のユニットであると捉えられることも多い。隠した素顔を知る者は相方である銀河系アイドル以外に存在せず、また大手レコード会社の社長でさえも見たことがないという。
銀河系プロデューサーがプロデュースしたかったのはアイドルではなく、偶像崇拝という行為そのものだった。歓声に囚われた心は自我を忘れさせた。そして訪れた暴動、加速するギャラクタシーは小国であれば崩壊へ導くのに十分だった。銀河男アルタイルは、また夏に会おう、とだけ言い残し、行方をくらませた。
聖暦××××年、××月××日、常界某所。ライトアップされた瓦礫の上に準備された特設ステージ。まるで宇宙に星が煌くようなSEと共に登場したのは、超銀河嬢と超銀河伯アルタイル。1曲目、お馴染みの『スターキャンディ』のイントロが流れ始めると、オーディエンスのボルテージは早くもギャラクタシーへ。
銀河系アイドルのその裏側で支えるのは、統合世界で唯一の銀河系プロデューサーだった。ヘルメットに隠されたその素顔は、怒っているのか、笑っているのか、それとも涙を流しているのだろうか。そして、彼が本当にプロデュースしたいものとは。