仲間達と極東国を旅する絶無の少年が目指したのはとある庭園だった。その筆で、塗りつぶしてくれないか。待っていたのは筆型ドライバ【ムツキ】を持ったマツだった。貴様が求める無とは何だ。彼女は少年に問いかける。この世界の悲劇を塗りつぶし、五人の友達を助けたいんだ。少年の瞳は未来を見つめていた。
神の手のひらの上で綴られ続ける悲劇、それは決して覆すことの出来ない約束された未来。だけど、唯一の対抗手段として、その全てを塗りつぶし、そして無に帰す。それこそが絶無の少年にしか出来ない役目だった。その覚悟、受け止めよう。無花獣マツは残り五つの庭園の地図を手渡し、そして力になると約束をした。
常界<テラスティア>の極東国に位置する無の庭園には穏やかな時間が流れていた。水のせせらぎに小鳥のさえずり、心を無心にすることが出来る静かな空間。そんな庭園の主は、全てを塗りつぶすことが出来るという不思議な筆を持っているという。