常界から捨てられながら、それでも常界を愛した一人の王の命と引き換えに、聖なる入口は閉ざされた。だが、既に道化の魔法使いが呼び出した六つの光は天高く聳え立つ塔に降り立っていた。そんな塔を睨みつけ、ギルガメッシュは呟く。この私の体に半分流れる、憎しみの血に制裁を。彼女は一人、塔を上り始めた。
聖なる入口が閉ざされ、本当の意味で統合されたこの世界に、聖なる出口など存在するのだろうか。閉ざされた入口の産物として完成してしまったのは統合世界と上位なる世界を繋ぐとある塔。下位なる種族と上位なる種族、人と神の混種族<ネクスト>である征服王ギルガメッシュが憎んだのは人か、それとも神か。