研究の結果が導きだしたひとつの答え、人工的に造られたドラゴンの誕生。そして、ニトロと名付けられた人工ドラゴンには、ありとあらゆる化合物が投与された。それは全て、このドラゴンの誕生を無かったことにする為に。止まらない暴走、訪れる恐怖、研究工程での誤算はひとつ、抹消方法の検討不足だった。
投与され続けた化合物でさえその体内に取り込み、成長を続けたニトロは化合竜へと進化を遂げた。その身体がどのような要素で成り立っているのか、どのような過程で成長を遂げたのか、それらの経過を書き記す暇もなく、続けられた投与実験。この研究が終わりを迎える時には、この研究所も終わりを迎えていた。