神と竜が繰り返し争い続けていたのは遥か古。そして、それは遥か上位なる世界での話。そこで生じてしまった誤算、上位なる存在へと捧げるはずの【ナノ・ニーズヘッグ】は、異なった上位なる存在、古の竜エジプトラの手へと届けられてしまった。あぁ、どうかお許しを。一人の天才は痛むことのない胸を痛めていた。
結ばれた聖王の勅令と真意。あの時の嫌な予感の正体に気づいた頃にはもう、銃剣に込める弾は尽きていた。だけど、果たせていた勅令。そして、聖なる闇は自らを否定してまで、最期の光を発した。全ては、もうひとつの鍵となる小さな光の為に。二人は、闇明竜エジプトラと【テラ・ニーズヘッグ】の闇へと消えた。
深い夜に包まれた宮殿、それは繰り返される終わりの毎日だった。願うべき星も、想いを馳せる月も、たった一つの光も届かない宮殿で、永遠に繰り返される終わりの中で、古の竜は何を思っていたのだろうか。訪れない明日を、求めていたのだろうか。
少しだけ知ることが出来たのは、探していた過去。だけどまだ、不確かな記憶、それは幼き日を共に過ごした友達との約束。堕ちたからこそ、出会うことが出来たのに、それでも少女は、未来へと向かう。愛らしい抱いた闇と共に、聖なる扉へと。