-
笑顔の絶えない永遠郷<シャングリラ>に位置した光の美浴室にて、カタリナは光の祝福に包まれていた。続く争いの最中、ひと時の休息、彼女にとってはこの上ない至福の時。そんな彼女だけの時間に訪れた、予期せぬ来訪者。紫色のバラの花束を抱えた男性、すかさず投げつける桶。彼女には、何の悪気もなかった。
-
カタリナが光の美女へと成長を遂げた頃、よく目撃していたはずの男を見かけることはなくなっていた。目が合えば頬を赤らめ、そしてすぐに姿を消していた一人の男。ただ、彼女はそんな男に一度も話しかけられたことはなかった。最後に見たのはいつだったか。辿った記憶、最後の場面は、浴室の湯気でぼやけていた。
-
訪れたのは、優しい光に包まれた浴室。待ち構えていた光の美女は、ただのんびりと日向ぼっこをしていた。彼女には何の悪気もなかった。ただ、時として悪気のない行為が、結果として大惨事になることを、彼女は後になって知るのだった。