全てを魅了するのは、わざと乱した着物からこぼれ出る色香、水も滴るいい女、オノノコマチは自らの麗しさに酔いしれていた。だけど、そんな天界の憧れの的はたった一人の、なびく素振りも見せない男への不満に口を尖らせた。そしていつか、その留めた水に自分を映すことを企て、尖らせた口で笑みを浮かべていた。
幼馴染でもあり、また良きライバルでもある水の大精霊と、一人の水を留めた少年をかけた勝負が始まった。どちらが先に、彼を振り向かせることが出来るのか。幼さの残る笑顔か、それとも大人の色気香る微笑か。当の少年の嫌そうな顔は、水の美女オノノコマチにとって、今となってはご褒美の様に感じるのであった。
宝石塔から発見された巨兵型ドライバ【ゴルドラド】は破壊行為だけをプログラムされたかの様に、瞳に映る者全てを駆逐した。全てを破壊し尽くした時、停止した活動、恐る恐る調べられた機構は第零世代とされた。何世代も前のはずの機体に乗せられた最先端技術、それは聖暦の天才の仕業か、それとも神々の悪戯か。
失われた科学技術を蘇らせようと、その独自の機構が解析される最中、第四世代以降にのみ搭載されていたはずの自立進化が始まった。四世代も前から実現されていたことが発覚した自立進化、それはもはや、神の所業。そして、神の巨兵型ドライバ【ドス:ゴルドラド】は自らが審判を下さんと、破壊行為を再開させた。
滴り落ちる雫を辿り、招かれたのは水の美女の待つ浴室。火照った身体を落ち着かせる冷ややかな水の調べと、水も滴るいい女のおもてなし。だけどそれは、飛沫舞い踊る戦い。冷ややかな浴室が熱を帯びた時、浴室はただの戦場へと変わる。