あぁ、私は今、世界で一番美しい景色を見ているのですね。ヘンペルは王への道を切り開く民達に心からの賛辞を送っていた。これが、愛。なんと美しいことでしょう。これが、希望。なんと儚いことでしょう。あぁ、私は間違っていたのでしょうか。
息をする暇もなく攻撃を繰り出し続けるカゲロウ。殲滅対象ハ、炎才ノ息子。その対象はアカネだけだった。こいつの狙いは俺だけだ。だからお前は先に行け。会って、想いを伝えたい人がいるんだろ。だが、その言葉に対してレオラは首を横に振った。
一人、聖王が待つ場所へ。だが、サンタクローズを遮ったのは再び綴られた三つの戯曲だった。悲劇なんか、見たかないね。そしてあの日の嘘を口にする。だって俺は、みんなに幸せを届けるサンタクローズなんだ。その言葉は活路へと変わるのだった。
勝負しようぜ。それはロアの提案。悪くないんじゃない。それはランの返答。撃墜数を競いあう二人。別々にカウントされる撃墜数。だが、そんな二人は背中を預けあいながら、同じ未来を見つめていた。さぁ、さっさと終わらせて追いかけようぜ。
フェリスは楽しげに斧を振り回していた。随分やる気じゃねぇか。ローガンも負けじと撃ち出す銃弾。パパに褒めてもらいたいの。パパがいなくても、私は強くなれたんだよって。それは聖王のいなかった空白を肯定する為の、力いっぱいの笑顔だった。
常界へ無数の被害をもたらした炎の災厄。そして、その炎の災厄はアカネたちによって食い止められた。だが、常界の人々の心には、神々への恐怖が植え付けられ、それと同時に、その場を救った「正体不明の女」へと、賞賛が向けられたのだった。
また会える日を、楽しみにしているわ。そう遠くない未来に会いましょう。食い止められた水の災厄。その最後の一太刀は「正体不明の男」によるものだった。だが、人々は知っていた。その正体不明の男が聖戦の二次災害から人々を守っていたことを。
風が止んだとき、そこには災厄の爪あとが残されていた。まぁ、あんたたちもよく頑張ったわよ。そんな言葉を残したのは、風の災厄を阻止する最後の風を放った「正体不明の女」だった。そして、その女へは数え切れないほどの賞賛が集まるのだった。
止んだ無の災厄。お前たちだったんだな。ギルガメッシュがついた溜息。二次災害の被災地に現れ、名乗ることなく消え、報告書に記載されなかった「正体不明の男」の存在。だが、そんな男もまた、救われた被災者たちの記憶に刻まれていたのだった。
私も戦わせてもらうね。神を前に、傷だらけのヒカリへと手を差し伸べたヴィヴィアン。これはあの日の続きじゃない。新しい始まりなの。そんなヴィヴィアンの背後に降り立つ六つの光。私たちもいますよ。そこには真精将たちが杖を構えていた。
ユカリがついた膝。格好悪い姿をみせないで頂戴。そんなユカリの手をとったひとりの女。彼女があなたの敵なら、それは私たちの敵でもあるの。ユカリが背中を預けたのはファティマ。そして、そんな彼女たちの背後には六人の真魔将が控えていた。