いつの時代も、手のかかる人達だ。だが、悪戯な神様は喜びの笑みを浮かべていた。でも今はまだ、その時じゃないから。鼻へとかざす人差し指。聞こえるかい、かすかな希望が。見つめる手のひら。大いなる絶望の為には、大いなる希望が必要なのさ。
人間がいくら束になろうと、神に救いを求めることしか出来ないのだ。スルトの刃が切り裂かんとする未来。俺は壊すんだ、この時計仕掛けの世界を。その為に、聖なる扉を。アカネは、あの頃からひと回りも、ふた回りも大きくなった拳を握り締めた。
みんな、久しぶり。アオトが一瞬みせた笑顔。だけど、再会を喜んでいる暇はなさそうだね。会いたかったわ、アオトちゃん。僕も、君にはもう一度会いたかったよ。だけど、いま僕が会いたいのは君なんかじゃない。だから、僕たちの邪魔をしないで。