7匹の自立小型ドライバ【ピグミーズ】と共に暮らす少女、シラユキ。くだらない女の嫉妬が彼女をひとりにした。吐き出す毒はせめてもの反抗。復讐の夜、阻害された過去を、過ごした孤独の足跡を消しさるよう、深々と白い雪が降り積もる。すぐに消える小さな足跡、そしてすぐ生み出される、迷いのない深い足跡。
鏡よ鏡、この世界で最も美しい女性は誰かしら。亡骸と化した女王の間で、満面の笑みを浮かべた少女は問いかける。7つの鏡に7人の、1人の幼い新たな女王を映し出した【ピグミーズ・ミラー】。復讐を遂げた朝、晴れ渡る空、輝く白銀、刻まれる新たな足跡。白の女王シラユキが刻む足跡を消す雪はもう、降らない。
交わってしまった世界、残された富を独占したのは権力者。自らこそが解放の導き手と名乗りを上げたユライは、力による支配へ反旗を翻した。全ては弱き者を、自分と同じ持たざる者達を理不尽な弾圧から守る為に。何も持たざる者が、唯一手にした短刀型ドライバ【タトラ】は、彼を義賊から英雄へと導けるだろうか。
権力者により統制された情報は悪意すらをも隠した。そして、無実の罪により囚われ、冷たく重い手錠をはめられたユライ。そんな不遇の塊を打ち砕いたのは、持たざる者達の願いが集められたドライバ【タトラ・ケッテ】だった。風を纏った刃で聖暦の闇を切り裂いた時、義賊皇として奉られ、新しい時代の風が吹いた。
7つ立ち並んだ楼閣の守り人、イナリはひとり下を向いていた。今も降り止むことのない世界の悲しみを受け止めるには小さ過ぎた赤いから傘を片手に。人々を導く炎となれ、天界<セレスティア>から与えられた使命を果たすのが先か、それとも、孤独に震え、降り止むことのない悲しみにその灯を絶やすのが先か。
やっと自分を見つけてくれた、その喜びに笑顔をみせたイナリ。もたらされた炎と炎の共鳴<リンク>は狐の少女を巫女へと導いた。次は自分が導く番だと、9つの尻尾が先陣をきって歩く。まだ、降り続ける悲しみは止まない。だけど、少しの悲しみでも受け止めたいと、小さ過ぎる傘を閉じようともしなかった。
創られたマスクは彼を苦しめ続けていた。でもそれが、私という人格なのだから。キョーソ☆ディバインが右を向けば左を向く。あぁ、なんて健気なんだろうか。そして込めた皮肉。完全世界など、夢のまた夢。終わらせるのも、また私の役目か。砂上の楼閣に気付かない、ユーザー達め。彼の苦しみに、興味はなかった。
生まれし子は絶望を孕んでいた。望まれない生、望まれない種、望まれない存在に希望などなかった。母が悪いのか、父が悪いのか。いいや、生まれてしまった自分が悪いに違いない。だって、他人がいじめるのはいつだって僕なんだから。帽子に隠した姿と望み。だが、隠匿は更にハッターを蝕んだ。 デザイン:七罪
恐怖へと姿を変えた絶望。歪んだ心、重ねる悪行。姿が変わろうと、望まれない存在なのは明白だった。産んだ母が悪いのか、産ませた父が悪いのか、蔑む者が悪いのか。どうせ悪いのは全部僕なんだ。だから悪に染めてあげる。堕精魔ハッターは妖精のような純真な心の荒んだ魔物であろうとしていた。 デザイン:七罪
少年はいつも、追いかけていた。大きすぎた父の背中を。だが、その背中は突如消えた。少年にはそれが信じられなかった。信じたくもなかった。そして思い出したのは、父がいつも話してくれた聖なる扉の伝承。聖なる扉を目指せば、きっといつか、もう一度父さんに会える。そんな小さな思いを、アカネは抱いていた。
前線で戦いたい、だが次の世代へ橋渡しをしたい。還暦を迎えたブラウンは世界評議会警備局を退き、食堂で料理人として勤めていた。そんなガレスに掛けられた声。だったら、その腕で未来を示せ。そこには金髪の青年がいた。お前で二人目だ。
世界評議会の執務室、向かい合った男女。そう思わせてしまうのは、俺の力が足りないからだ。それは青年の言葉。だから、そういう綺麗ごとが気に入らないの。それはヒルダの言葉。俺はお前のその素直さが気に入った。ついて来い、お前で八人目だ。
いつも思い出すのは真っ赤に燃え上がった教団崩落の日の炎。あのとき感じた懐かしさ。カカシはただ、新たな居場所を守り続けていた。いつか、誰かが帰ってこられるように。いつか、炎をまとい、帰ってくる魔法使いの為に、守り続けるのだった。