ガラスの城の舞踏会、それは魔界で最も華麗な夜、フィナーレに選ばれるのは新たな黄の王。綺麗なドレスに憧れて、ガラスの靴に想いを馳せる、そんなシンデレラは自立型ドライバ【トゥエルブ】と共に、掃除に洗濯に大忙し。だけど、彼女の前に現れた魔法使い、輝く世界、煌めく夜、少女は大人の階段を上り始める。
12時の鐘が鳴り響き、舞台の幕は降ろされる。けれどひとり、置き去りの少女。それはガラスの靴に選ばれし新たな王。降ろされた幕は再び開かれる。新たな時代の、黄の女王シンデレラの時代の幕開け。12は0へと意味を変え、【トゥエルブ・ゼロ】と共に新しい時代を。華麗な夜、女王は舞台の階段を下り始める。
終わりを告げた華麗な舞踏会、そして生まれたのは、ガラスの靴に選ばれし新たな黄の女王。黄の城から湧き上がる歓喜、始まる0時、それは新しい時代の、新たな女王の時代の幕開け。眩い光に照らされた舞台の階段を下り始めた女王を、いざ迎えに。
9回裏、3対0、2アウト、ランナー満塁、一打逆転の好機、打者は統合世界一バットの似合う男、サンタクローズ。1球目、見送った外角高めのスライダー。2球目、さらに見送った内角低めのシンカー。そして3球目、ど真ん中ストレート。捉えた白球、見送った外野、越えたフェンス。これが俺からのプレゼントだ。
そして、ヒカリは続けた。あの人が言ってたんです、嬢ちゃんはありのままの事実を受け入れたいのか、それとも否定したいのか、って。それは、死という事実が否定された死ぬことの出来ない二人の王様の昔話だった。だから私は、その事実を――。
各世界の代表が不在のいま、意思をひとつにまとめるのは難しいでしょう。ですが、初めからひとつになどなっていなかった私たちからすれば、なにも変わりません。ただ世界の決定に従い続けてさえいれば、災厄は回避出来るんじゃないでしょうか。