彼女が産まれた理由、それは一人の男が自らの死を偽り、科学者としてではなく、子を持つ父親の責務を果たそうとした為だった。その代償、死んだはずの人間が生きていたなどということは許されず、息子との血縁を示す証拠を永遠に失ったのだった。
一つの設計図を元に生み出された六体の自律兵器型ドライバ。だけど、動き出したエレメンツハートが感じた鼓動は、自分を含み八つだった。泣き続ける一つの鼓動。笑い続ける一つの鼓動。そんな二つの鼓動が彼女の心を掻き乱していたのだった。
どの世界にも、結婚式はあるのだな。ウェディングドレスを纏った炎精王。なにも、こんな格好じゃなくたっていいじゃん。黒いタキシードを纏った炎咎甲士。ふたりとも、とっても似合ってますよ。隣で眺める聖銃士。変装は、関所を突破するために。指名手配って、面倒くさいな。そして、彼らは先へと進むのだった。
たまには、正装するにゃん。無英斧士に手渡された白いタキシード。これ、違くねーか。そう言いながらも、袖を通した。ならば我も楽しむとするか。神父へと化けた無精王。これで、会議に行くにゃん。そして出席した最高幹部会。沸き起こる歓声。いったい、なんの冗談だ。征服神は、いつまでもお腹を抱えていた。