イマもまれに、統合世界の各地で火元不明の小火が起きるらしい。きっと、フレイリウムのせいだろう。
一年に一度、常界の海に大量に現れるウォタリウムの群れ。そんな群れを観察して楽しめるのも、統合世界に平和が訪れた証しだろう。
晴れ渡った空を見上げた。そんな空を優雅に漂うウィンドリウム。心地の良い風が吹いていた。
天界で遊んでいたシャイリウムでさえ、年に一度、悼みながら、天界のイマを守った王への温かい光を注いでいた。
ダクリウムはイマも世界征服を夢見ているかもしれない。魔界のイマを守った王の背中を見つめながら。
ムムリウムの研究の果て、辿り着いた無の答え。そう、その研究こそが意味のあるものだったと。