常界から捨てられながら、それでも常界を愛した一人の王の命と引き換えに、聖なる入口は閉ざされた。だが、既に道化の魔法使いが呼び出した六つの光は天高く聳え立つ塔に降り立っていた。そんな塔を睨みつけ、ギルガメッシュは呟く。この私の体に半分流れる、憎しみの血に制裁を。彼女は一人、塔を上り始めた。
聖なる入口が閉ざされ、本当の意味で統合されたこの世界に、聖なる出口など存在するのだろうか。閉ざされた入口の産物として完成してしまったのは統合世界と上位なる世界を繋ぐとある塔。下位なる種族と上位なる種族、人と神の混種族<ネクスト>である征服王ギルガメッシュが憎んだのは人か、それとも神か。
なかなか、しぶといじゃない。シャルラを相手に、息を切らしていたジャンヌ。それは、ジャンヌがシャルラを殺さないように戦っていたからだった。その甘さが命取りだ。シャルラの体を貫き、そのままジャンヌを貫いた氷の刃。アンタって、最低ね。
そう、シャルラの背後から、シャルラごとジャンヌを貫いたのはラウフェイだった。急いで駆け寄るニコラス。もう、アタシなにしてんだろ。もういい、ゆっくり休んでろ。そして、悲鳴さえ上げることの出来ないシャルラ。人間の血は、絶えるべきね。
そして、再び対峙したラウフェイとニコラス。いい加減にしろよ、オマエら。ニコラスが展開した無数のドライバ。その数は、サンタクローズが展開したドライバ数を遥かに凌駕していた。なぁ、選べよ。自分で死ぬか、俺に殺されるか、どっちがいい。
ラウフェイの周囲の神魂をひとつ残らず消し去るニコラスの攻撃。だが、それでも表情を崩すことのないラウフェイ。私はただ決定に従うだけ。だからこそ、ラウフェイは死を恐れはしなかった。新しい世界、私は再び生まれることが出来るのだから。
じゃあ、俺に殺されろ。ラウフェイの体に突き刺さる無数のドライバ。これが、オマエへの最後のプレゼントだ。そう、ニコラスの「最後」には希望が込められていた。新しい世界なんか、もう必要ないんだ。決して、イマの世界を終わらせたりしねぇ。
再び、場面はロキとサンタクローズへ。ボクのこと、そんなに殺したいのなら、殺せばいいさ。そう言いながら、ロキはサンタクローズの攻撃をあえて受けてみせた。まだ、ボクにも赤い血は流れていたんだね。ハハハ、はははは、ハハハハははハハハ。