時に傷つき、傷つけ、笑い、笑われ、そして、私達は大人になっていった。幾つもの失敗を繰り返して、辿り着いたそれぞれの今。離ればなれになったけどね、いつかまた、三人で昔話に花を咲かせること、願ってた。でも、咲いた花は、違っていたの。
ったく、せっかくのプレゼント、無茶しやがって。いや、違うから、仕事を継いだのは常界に行きたかったとか、誰かさんが心配だったとか、そんなんじゃないから。でもさ、これは違わない、オマエを止められるのは、いつだって、俺だけなんだから。
これを頼む。クロウリーが手にしていた聖剣の鞘。そして、その鞘を受け取ったモルガン。そう、クロウリーの体内の鞘は取り出されていた。よくも、アタシを信じる気になったわね。えぇ、姉のあなただからこそ、彼の最後の決断を見たいでしょう。
鞘を託したクロウリー。そして対峙したメイザース。ボクの可愛い僕たち、みーんなやられちゃったみたいだけど、君のところも、みーんな瀕死みたいだよ。そう、戦力として残されていたのはクロウリーただひとり。君ひとりで、なにが出来るかな。
始まった新旧教祖の戦い。君は邪魔しないで見ていてよ。仰せのままに。すぐ近くで待機を続けるティルソン。それじゃあ、僕からいかせてもらうよ。メイザースの背後に現れたソロモン:フェイクキング。そうさ、僕は王でも教祖でもない、神なんだ。
対するクロウリーの周囲、浮かんだのは無数の瞳。これを使うのも、きっと今日で最後だな。かつて、ふたりが見つめていた完全世界。そして、その先にふたりが見つめたのは、終わる世界とイマの世界。この一撃、すべてをかける。さぁ、共に散ろう。
クロウリーの周囲の瞳が放つ無数の光。そして、その光が止んだとき、メイザースの目の前にいたのは背の高い人影。な、なぜでしょうか。盾になってもらっただけさ。そん…な……。そう、メイザースはティルソンを盾に、すべてを防いだのだった。
貴様は従者すらも道具だというのか。怒りを抑えることの出来ないクロウリー。すでに横たわり、息絶えていたティルソン。従者?なにそれ?知らないね、僕の計画の道具に、そんな名前は与えられてないよ。浮かべた笑い。それじゃ、次は僕の番かな。