着なくなって、どれだけ経つんだっけ。立ち寄った懐かしの我が家、クローゼットから引っ張り出した思い出。二人の出会いは入学式、春。そして数多の夏で汗を流し、共に頭を悩ませ続けたのは秋、寒さに負けないようにとはしゃぎあった冬、染み付いていたのはそんな匂い。ミドリはそっと袖を通した。ありがと、ね。
もしも戦場で、彼が敵として目の前に現れたら、僕は彼を殺すことが出来るのだろうか。終らない自問自答。何をそんな浮かない顔してるんだい。隣にはもう一人の幼馴染。もしも僕がためらったその時は、迷わず打ち抜いて下さい。彼じゃなく、僕を。
ミスターは深く傷ついていた。どうして、私を求めてはくれないのだ。そして、ついには闇へと手を伸ばしていた。そんな想いは彼をエビル☆ディバインへと生まれ変わらせた。ふっ、これで人気間違いなしだ。だが、この時の彼は、まだ知らない。
少ないながらも揃った足並み。だが、次の瞬間フロアに響く爆発音。みんな伏せろ。それは塔の外側からの爆撃だった。開いた風穴。聞こえたアラート音。砂塵に浮かび上がるシルエット。そこには4つの人影が浮かんでいた。緊急事態発生みたいだよ。