ふっ、この風の悲しみに、涙に気付いてあげられるのは俺だけさ。あぁ、頼って良いんだ。俺はどんな時も、お前の傍にいる。悲しい時も、嬉しい時も、共に行こう。その涙も連れ去るから。おいおい、そんな喜ぶなって、この傘、買ったばかりなんだ。
直後、明かりに照らされたのは横たわった人影だった。どうも先客がいるみたいだ。油断と警戒、切り替わる感情。そして、無数の人影は起き上がる。腕が折れようと、足が折れようと、ただ意志もなく起き上がる。どうやら教団員が地に堕ちたようだ。
虚ろな目で襲い掛かる無数の教団員たち。すべては終教祖の為に。虚ろな瞳、そこに意志は存在しない。コイツらの後始末は俺たちがする、だからオマエらは行けよ。ショクミョウとサフェスは、かつての同胞たちへ終わりを与える選択をしたのだった。